香港・中国市場Dairy ~ 中国政府が追加の防疫措置緩和を公表も、ハンセン指数は大幅続落
ハンセン指数 18,814.82 pt (▲3.22%)
中国本土株指数 6,432.95 pt (▲3.31%)
レッドチップ指数 3,529.58 pt (▲3.11%)
売買代金2,074億2百万HK$(前日1,650億0万HK$)
中国国家衛生健康委員会は7日午後、新型コロナウイルス対策の制限措置を緩和する10項目を発表した。各項目についてはリスク区分の最適化に取り組み、あらゆる事態においても臨時封鎖を実施することを禁止した。
またPCR検査対象は行政区域ごとではなく建物、棟、フロアなどに限定し頻度を減らすほか、新型コロナ発症者のうち無症状者と軽症者は原則自宅隔離を認めた。また高齢者のワクチン接種の加速に努め、今後は科学的かつ精密にコロナ制限を進めていくことを表明した。
2年半にわたり頑固なまでに厳しい感染抑制策に固執してきた中国当局だが、大幅に緩和措置を取った背景には、長引く行動制限による不満が広がっていることや、生活や経済への影響が大きくなっていることへの配慮がうかがえる。今後は、防疫対策を一段と最適化する当局の急ピッチな見直は一層加速することになりそうだ。
一方、連日発表される足元の中国経済指標は非常に厳しい数字が目立ち、先行き不透明感な環境もくすぶる。中国税関総署が7日発表した11月の貿易統計は輸出が前年比8.7%減と前月(0.3%減)から大きく低下し2カ月連続で前年割れが続いた。前年比ベースではパンデミックに陥った2020年2月以来の大きな減少となった。輸入においても前年比10.6%減と前月(0.7%減)から大きく鈍化した。
11月の貿易収支は4,943億ドルの黒字と前月から低下、黒字額は上海でロックダウンが敷かれていた今年4月以来の低水準となった。コロナ規制に伴う経済圧迫の影響で経済回復には時間を要するものと考えられる。
今月に入って急ピッチで規制緩和を急ぐ中国当局だが、早くも来年の経済成長率目標を5%前後に設定することを検討とも報じられた。コロナ対策の規制から景気浮揚に軸足を移すことを急ぐ当局にとってリセッションに陥るリスクは避けたい。22年の成長率は悩ましい結果に着地も、今後の回復に期待したい。
香港市場は大幅続落
7日の香港市場は朝方、一連の経済再開期待からハンセン指数は一時1%強おおきく買われる場面もあったが、午後に反落。下げ幅を徐々に広げサポートラインとなる19,000ポイント割れとなった。午後に発表された追加の防疫措置見直し10項目が市場の想定通りだったこともあり好感の買いは限定的だった。
不動産株で構成されるハンセン不動産指数は前日比8.25%安の大幅反落。不動産大手の碧桂園(2007)は15.5%安、龍湖集団(0960)は12.1%安、不動産管理サービスの碧桂園服務(6098)は10.5%安と大きく下げた。
ハイテク株で構成されるハンセンテック指数の値動きも荒かった。午後には一時3.6%高まで買いが先行した後、一転して売り優勢となり同3.77%安で引けた。ソフトウエア開発の明源雲集団(0909)は11.4%安、電子部品の比亜迪電子(0285)は6.5%安、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382)は6.3%安で引けた。
一方、緩和期待から航空関連株は引き続き堅調だった。中国東方航空 (0670)は6.3%高、中国国際航空(0753)は4.3%高、中国南方航空(1055)は2.1%高だった。
中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.44%安の3,199.62、CSI300は0.25%安の3,958.44と3日ぶりに反落した。香港市場同様に午後から売りが押される形となった。