香港・中国市場Dairy ~ 中国国内の感染拡大を受けて先行き不透明感が拡大、ハンセン指数は4日続落
ハンセン指数 17,655.91 pt (▲1.87%)
中国本土株指数 6,001.90 pt (▲2.02%)
レッドチップ指数 3,396.52 pt (▲1.10%)
売買代金1,102億9百万HK$(前日1,395億5万HK$)
中国では新規感染者が一段と拡大
新型コロナウイルスの感染状況が悪化している。前日20日に、無症状者を含めて新規感染者は26,824人を記録し、今年4月のピーク水準まで近づいた。感染者数は連日で2万人を超過し、北京市では今年5月下旬以来となる死者1名が報告された。
感染者の半数を占める広東省では、人口が最も多い広州市白雲区で5日間のロックダウンが導入された。首都北京では、防疫措置を強化し、一部地区で店内飲食を禁止したほか、対面での授業も停止される措置が取られた。新型コロナウイルス感染が広範囲に拡大、長期化する可能性も指摘されており、経済活動への影響も懸念される。
注目されていた、金融機関の貸出金利の目安であるローンプライムレート(LPR)については、中国人民銀行が1年物3.65%、5年物4.3%のまま据え置いた。3カ月連続の据え置きである。為替相場で、人民元がようやく安定を取り戻しつつあるところだけに、通貨安を助長しかねない利下げには慎重になったとみられる。
朝方、人民銀が発表した米ドル・人民元為替の基準レートは3日連続で元安方向へ振れた。先々週、中国当局が行動制限を緩和するとの報道を受けて以降、人民元は対ドルで元高に値を戻したが、感染者の拡大で、再びドル買い元売りが進んだ。
さらに人民銀は21日、金融システムから8日ぶりに短期資金を吸収した。7日物リバースレポを通じて30億元を供給したものの、50億元相当が満期を迎えたため、差し引きで20億元の資金吸収となった。
ハンセン指数は4日続落
週明けの香港市場は、経済の先通し不透明な環境が相場の重荷となり、ハンセン指数は4日続落、前日比1.87%安で引けた。同指数は朝方3%超下げる場面もみられ、上値が重い展開が続く。ただ月間ベースでは20%超と他指数を大きくアウトパフォームする展開となり、中国資産に強気転換する声も高まっている。
ハイテク株で構成されるハンセンテック指数が前日比2.96%安の下落。ITネット株中心に売られ、動画配信のビリビリ(9626)は6.2%安、高性能データセンター開発の万国数拠(9698)は5.6%安、Eコマースの京東集団(9618)は5.2%安、フードデリバリーの美団(3690)は4.9%安と下げた。
カジノや飲食などのインバウンド銘柄も売られ、大手カジノの新濠国際発展(0200)は10.0%安、金沙中国(1928)は7.7%安、MGM (2282)は7.2%安と下げた。火鍋チェーンの海底撈國際(6862)は7.1%安、レストランチェーンの呷哺呷哺(0520)は6.6%安、九毛九国際(9922)は4.9%安だった。
中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.39%安の3,085.04、CSI300は0.85%安の3,769.13と4日続落した。
ハンセン指数の銘柄入れ替えが発表
18日引け後、四半期ごとに実施される指数の定期見直しが発表された。今回新規にハンセン指数に追加されたのは3銘柄で、台湾系の食品大手の康師傅控股 (0322) 、不動産管理会社の華潤万象生活 (1209) 、白物家電の海爾智家 (6690)が採用された 。除外銘柄はなく、構成銘柄は全76銘柄となった。ハンセンテック指数、レッドチップ指数には、銘柄入れ替えはなかった。12月5日から組入れ採用となる。
中国本土株指数(H株)は4銘柄が採用。石油販売のペトロチャイナ(0857)、自動車ディーラーの中升集団(0881)、中国自動車の理想汽車(2015)、白物家電の海爾智家(6690)。一方、除外銘柄は4銘柄。オンライン医療の阿里健康 (0241) 、都市ガス大手の中国ガス(0384)、バイオ医薬品開発の信达生物(1801)、動画配信のビリビリ(9626)。4減4増で50銘柄のままだった。