米国中間選挙

米国中間選挙

米国では、11月8日に中間選挙が実施されます。中間選挙は、以下の選挙を含み、大統領の就任後4年の任期のちょうど2年後に任期半ばで実施されるため、『中間』の選挙という意味で、中間選挙と呼ばれます。連邦議会上下院の選挙では、上院の3分の1の議席が改選されるほか、下院の全議員が改選されます。

上院の定数は100議席ですが、各州から2人が選ばれ、任期は6年ですが、このうちのおよそ3分の1が2年ごとに改選されます。現在の上院の構成は、無所属を含む民主党系と、共和党がともに50議席で同数です。採決で同数の場合は議長を務めるハリス副大統領が1票を投じるため、民主党が事実上の多数派を占めています。今回の改選数は、35議席で、非改選議席は民主党が36議席に対し、共和党が29議席あります。そのため民主党が、35議席のうち15議席を取れれば多数を上回ります。

下院の定数は435議席で、各州の人口比率に応じて配分され、任期は2年です。今回すべての議席が改選されます。現在は、民主党が221議席、共和党が212議席で、民主党が多数派です。現在は、民主党が大統領府と上下両院で多数を握り、政治の主導権を握っている状況です。これがどう変わるかが注目されます。また、今回の中間選挙では、全米50州のうち、36もの州で州知事選挙も行われます。州知事は、内政では大きな権限を持っているので、こちらも注目されます。

中間選挙では、通常大統領を出している政党が苦戦を強いられるのが、歴史的な傾向です。大統領への批判が選挙の争点にされることが多いためです。加えて、バイデン氏には、前回大統領選挙でのごたごたもあり、とりわけ共和党側からの厳しい批判が集まっています。

今回の中間選挙で、与党・民主党が大敗した場合、バイデン大統領に対する有権者の不信任と受け止められる可能性もあります。現時点では、バイデン大統領をはじめホワイトハウスのスタッフは、再選を目指すと表明していますが、中間選挙で、民主党が大敗した場合、次期大統領候補をめぐって、民主党内で他の候補者を立てようとする圧力が強まる可能性もあります。

また、バイデン大統領には、高齢批判もあり、世代交代という点でも、中間選挙がカギになる可能性はあります。バイデン大統領が再出馬しない道を選んだ場合には、民主党も共和党も長い予備選挙の戦いが始まることになります。バイデン大統領が出馬をあきらめた場合、現時点ならばハリス副大統領がバイデン氏の代わりとなる次期大統領候補の最右翼です。しかし、ハリス氏の支持率も伸び悩んでおり、すんなりとはいかないでしょう。

一方、共和党は、トランプ前大統領が早くも出馬に意欲を示しています。共和党内も、トランプ氏に対するアレルギーもあり、党内の予備選挙とはいえ、簡単ではないでしょう。

関連記事