ハンセン指数19,326.86 pt (▲0.18%)
中国本土株指数6,633.05 pt (+0.07%)
レッドチップ指数3,703.93 pt (+0.17%)
売買代金949億9百万HK$(前日992億8万HK$)
今夜発表を控える米国の消費者物価指数CPI(8月)を前に、インフレ率上昇がピークアウトするのではないかとの期待が高まっている。CPIの事前予想では、前年同月比8.1%と前月の同8.5%から伸びが鈍化することが期待されている。6月に記録した40年半ぶりのインフレ率高進状態は、緩和に向かっているとの期待感である。
このほか、為替相場で、ドルインデックスの上昇が一服したことも投資家のリスク選好度を回復させた。同指数は今年10%余り上昇した後、先週付けた20年ぶりの高値からは2%近く下落した。来週21日に開催されるFOMCでは、0.75%幅での利上げ予想は根強いもの、すでに織り込んだドル金利の上昇幅を超える可能性は小さいとなれば、米ドル一強の相場もピークを付けるとの観測が出ている。
CPIの上昇率が、事前予想に沿って、前月を下回れば、米利上げに伴うリセッション懸念は後退する可能性がある。金利に敏感なナスダック総合指数では、9月に入って7営業日続落した後は、4日続伸とセンチメントは回復傾向にある。今後の利上げサイクルは、足元の経済指標次第であるが、金融市場は潮の流れの変化に敏である。
香港ハンセン指数は先週末、ほぼ全面高となって心理的節目の19,000ptを回復していたが、中秋節の連休明けの13日は、前日終値を挟んで一進一退の動きとなり、引けにかけてややだれて、前日比0.18%安で取引を終えた。材料としては、12日に李克強首相が「主要なけん引力となる消費の回復を促進し、効果的な投資促進に向け一段の施策を実施する」と発言したことが相場の下値を支えた印象である。足元の景気動向は弱めではなるが、それが更なる政策発動を連想させる内容となっている。
為替相場でのドル高一服は、人民元を支えた。中国人民銀行は13日、人民元の中心レートを1ドル=6.8928元と6.90人民元よりも高く設定した。前日の基準値に比べ0.247%の元高・ドル安水準。これで人民元レートは3日続伸した。
個別での動きが目立ち、バイオ医薬開発の薬明生物技術(0028)が急落、バイデン米大統領は12日、バイオテクノロジー関連産業の回帰を促す行政命令に署名し、中国依存を減らすとの懸念がネガティブに働いた。同社株は前日比19.9%安とハンセン指数を1銘柄で79ポイント押し下げた。
そのほか先週堅調だった、Eコマースの京東集団(9618)は4.1%安、不動産開発大手の碧桂園(2007)は3.5%安、金融株も安く、保険大手のAIA(1299)は1.6%安、香港取引所は(0388)は0.7%安で引けた。
一方、新興EVメーカーのNIO(9866)は大幅高、前日比16.8%高で引けた。香港市場が休場の中、米国上場の預託証券は2営業日で21.9%上昇、同社が下半期に掲げる販売台数をはじめ、新製品ES7、ET7、 ET5の受注が堅調であることが期待された。
中国本土株指数は上海総合指数が前日比0.05%高の3,263.80、CSI300指数は0.42%高の4,111.11と続伸した。指数は一時、マイナス圏に沈む場面もみられ、引き続き中国の行動制限継続が懸念された。
一部ロックダウンが続いている都市はあり、北京市では複数の大学キャンパスでクラスターが発生するなど警戒がなお高い。首都北京の周辺地域では、防疫措置が再強化されるなど来月の共産党大会開催に向けて緊張が高まっている。なお、10月16日に北京で開幕する共産党大会の後も、政府は「ゼロコロナ政策」を堅持し政策転換せず、2023年前半に開催される全国人民代表大会の後まで、コロナ封じ込めの政策を変更しないとの見方も出ていた。