中国人民銀行の外貨預金準備率の引き下げを受けて上海総合指数は3日続伸、香港ハンセン指数は4日続落

香港・中国市場Dairy ~ 中国人民銀行の外貨預金準備率の引き下げを受けて上海総合指数は3日続伸、香港ハンセン指数は4日続落

ハンセン指数 19,202.73 pt (▲0.12%)
中国本土株指数 6,555.80 pt (▲0.33%)
レッドチップ指数 3,645.80 pt (+0.20%)

売買代金822億2百万HK$(前日984億4万HK$)

ハンセン指数

アジア市場は米国市場が前日、休場だったこともあり方向感を欠いた展開となった。先週末は、為替相場でドルインデックスは2002年以来、約20年ぶりの高値を記録。米金利先高感から主要通貨に対して米ドルは続伸し、ドル一強の流れが続いている。6日の円相場は一時1ドル=141円台に乗せ、24年ぶりの円安水準と米FRBの積極的な利上げ織り込みが、ドルに資金流入を助長している。

8日に発表を控えるECBの政策理事会を前に、オーストラリア準備銀行(中央銀行)は6日の政策決定会合で政策金利の誘導目標を4会合連続の50bps利上げとなる2.35%に引き上げることを決定した。

世界各国の中銀がインフレ率を従来の目標に戻すため必要な対応にコミットすることを掲げ、この流れはインフレ収束まで続くだろう。金融当局の積極的な利上げは今後より現実味を帯びてきた。金利上昇に敏感なナスダック総合指数は先週末まで6日続落と投資家の不安心理の度合いを表している。来週13日の8月の米消費者物価指数(CPI)を控え、大きくは動きにくい展開が予想される。

6日のハンセン指数は朝方、安く寄り付くも午後に入って前日終値で一進一退の動きとなった。ハンセン指数は前日に終値ベースで3月15日以来の安値水準だったこともあり、自律反発の流れもみられたが前日比0.12%安と小幅に4日続落した。

中国主要銘柄が小幅安、インターネットサービス大手のテンセント(0700)は1.5%安と下げた。南アフリカのメディア大手ナスパーズは自社株買いの資金を調達するため、オランダの投資会社プロサスの保有株式を削減することを発表した。ナスパースはプロサスを通じてテンセント株を約27億6900万株、28.78%を保有している大株主で、売却の懸念が再び懸念された。

そのほか保険大手のAIA(1299)は0.9%安、Eコマース大手のアリババ(9988)は0.5%安、フードデリバリーの美団(3690)は0.1%安だった。

一方、本土不動産株が大幅高、不動産株で構成されるハンセン本土不動産指数は4.41%高と指数を押し上げた。不動産管理サービスの碧桂園服務(6098)は9.7%高、不動産開発の碧桂園(2007)は9.3%高、龍湖集團(0960)は5.8%高、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109)は4.9%高で引けた。

中国本土株指数は上海総合指数が3日続伸し、前日比1.36%高の3,243.45、CSI300指数は0.92%高の4,052.28で引けた。両指数は終日堅調に上げ幅を拡大し、上海総合指数については心理的節目の3,200を上回った。中国当局の景気対策に対する根強い期待が相場を支え、不動産や自動車セクターが相場を押し上げた。

人民安の一服も相場を支えた。5日、中国人民銀行は金融機関から外貨の一定割合を強制的に預かる外貨預金準備率を現行の8%から6%に引き下げると発表、15日付けの適用となる。ここ数日、急ピッチの人民元安が進行し対ドルで1ドル=6.95元と、2020年8月以来、約2年ぶりの安値水準を記録していた。今回の措置は金融機関が人民元を売って外貨を買う動きが弱まり、元安進行を緩和する狙いとみられる。

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