ハンセン指数 19,922.45 pt (+0.46%)
中国本土株指数6,755.31 pt (+0.41%)
レッドチップ指数 3,634.39 pt (+0.93%)
売買代金840億2百万HK$(前日987億0万HK$)
アジア市場は前日の米小売企業の決算を受け、堅調な一日となった。日経平均は29,000円台を回復し、約7カ月ぶりの高値水準で引けた。足元の米国市場の堅調さに加え、過度なインフレ懸念と急ピッチの金融引き締め後退がマーケットを支えている。投資家心理は向こう数週間はしっかりした展開を想定する。
ただインフレ懸念は米国に限った話ではない。17日、英国が発表した7月の消費者物価指数は前年比10.1%と40年ぶりの高水準となった。英中銀は今月頭に、政策金利を50bps引き上げ1.75%とし、実に14年ぶりの高さ。ただ足元のインフレ率は歯止めが効かず、さらに引き上げる必要があるとの見方を示している。
17日にはニュージーランド準備銀行が4会合連続で50bpsの利上げを実施するなど、グローバルに金融引締めの流れは続く。同銀の過去10ヶ月の利上げ幅は2.75%と急ピッチで動いており、足元の警戒感は根強く残っていると考えられる。引き続き、経済指標に敏感に反応しなければならない。
17日の香港市場は序盤に小安くなる場面もみられたが、徐々に上げ幅を拡大しハンセン指数はサポートラインとなる20,000ポイントを回復する場面もみられた。ただ引き続き上値が重い展開が続き、指数が上抜けるには材料が乏しい模様だ。
16日、李首相は主要6省の高官に対し、ビデオ会議で、「経済回復の基盤を固めるために、危機感を強めなければならない」と、消費促進と投資拡大に向け一段の措置を講じることを再表明した。先週金曜に発表された7月の主要経済指標は軒並み減速を示唆したことから、危機感を露わにしたものと考えられる。ただ追加の刺激策などの具体性は欠けており、材料を欲しがるマーケットは、限定的な反応に止まった。
前日の急落から食品デリバリー大手の美団(3690)が反発、前日比3.3%高で引けた。インターネット大手のテンセント(0700)はロイターが報じた保有する美団株の売却についての計画はないことを伝えた。16日は9.0%安で終えていた同社株だが、全戻しには至らなかった。
そのほか電力株が好調、風力発電の龍源電力(0916)は7.3%高、電力大手の中国電力(2380)は8.1%高となった。中国では猛暑の影響で電力が不足し、計画手停電が実施されている。四川省ではトヨタ自動車をはじめ大手企業の操業に影響が出るなど電力需給のひっ迫が警戒された。
個別では電動工具メーカー大手の創科実業(0669)が大幅高となり前日比10.1%高。前日発表された米ホーム・デポの好決算が材料に上げ幅を拡大した。また決算を発表したビール製造の華潤創業(0291)が3.8%高と目立った。
中国本土市場は上海総合指数が前日比0.45%高の3,292.53と続伸、CSI300指数は0.94%高の4,216.96、中国市場は約4週ぶりの高水準で引けた。中国不動産セクターが連日小高く推移、昨日発表された民間不動産開発会社の発行した国内債を保証することに加え、22日に発表される最優遇貸出金利(LPR)の引き下げ期待が指数を押し上げた。
上海総合指数は約4週ぶりの高値で引けたが足元1ヶ月は1.5%高とハンセン指数の▲2.6%からアウトパフォームの展開が続く。中国本土は足元の感染者が増加基調も、経済対策に対する期待感がマーケットに表れている。この水準をボトムに反発することを期待したい。