香港・中国市場Dairy ~ 中国経済への先行き不安ぬぐえず、中国・香港市場は一進一退の動き
ハンセン指数 20,609.14 pt (+0.17%)
中国本土株指数 7,106.70 pt (+0.10%)
レッドチップ指数3,693.19 pt (▲0.48%)
売買代金851億5百万HK$(前日1,016億4万HK$)
21日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会では、市場予想を上回って50bps幅での利上げ実施が決定された。これを受けてユーロドルは一時、1.027ユーロ/ドルまで上昇した。一方で、ECBが利上げを加速させても、インフレ抑制に成功すれば、結局は金利の上昇幅は限られるとの見方が台頭、同時に発表されたユーロ圏の国債利回りの差が拡大しないようにする「格差防止措置」としての債券買い入れ枠の設定もユーロ売りの材料とされた。
来週予定される7月米FOMCでは75bpsの引き上げが確実視され、サプライズはないとの見方が強まったことから、米国市場では前夜、10年米国債利回りが2.8%まで低下した。この金利低下を好感して、朝方から買いが先行した香港市場だったが、日中にかけては上げ幅を縮小し、結局前日終値を挟んで一進一退の動きとなった。
22日の香港市場は上値が重く、持ち合いのまま前日比0.17%高で取引を終了した。不動産ローン不払い問題への懸念がくすぶり、中国政府の積極的な景気刺激姿勢が後退したとの観測も買いを手控えさせた。来週の米FOMCを控え商いは薄く、香港市場の売買代金は851億香港ドルと低水準だった。
個別ではカジノ関連株に買いが目立ち、カジノのサンズ・チャイナ(1928)が3.8%高。澳門博彩(0880)が2.5%高、永利澳門(1128)が2.2%高となった。新型コロナ感染拡大が続くマカオでは23日から、限定的に経済活動が再開され、カジノも営業を再開することが好感された。
自動車セクターも好感され、NIO(9866)は3.4%高、理想汽車(2015/HK)が1.7%高、ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は小幅に3日続伸し、動画プラットフォームの快手科技(1024)は3.7%高、ビリビリ(09626)は1.7%高だった。
中国本土市場では、中国景気の先行き不安がくすぶる流れ上海総合指数が0.06%小幅安の3,269.97。CSI300指数は4,238.23の0.05%高だった。
香港のプライムレート、18年以来の引き上げへ
香港の市中銀行は米連邦準備制度による積極的な金融政策引き締めに対応し、2018年4月以来のプライムレート引き上げになる見込みだとBloombergが伝えた。来週の米FOMCでは75bpsの利上げが見込まれる中で、香港ドルは米ドルとのペッグ制を採っているため、同様の幅で基準金利が引き上げる見通しである。一方、プライムレートは18年10月の引き上げを最後に5%水準で落ち着いていた。1カ月物の香港銀行間取引金利(HIBOR)は既に2年ぶり高水準に達しており、さらに市中金利の引き上げが実施されると、世界屈指の高値水準にある香港の不動産市場にとってはボディブローになり、不動産価格の下落につながるとの懸念も出ている。