中国の3月LPRは予想通り据え置き、香港は4月から海外入国の受け入れ緩和へ

香港デイリー 3/21
ハンセン指数 ▲0.89% 小幅安

21日の香港市場〜ハンセン指数は2日続落

ハンセン指数 21,221.34 pt (▲0.89%)
中国本土株指数 7,244.48 pt (▲1.66%)
レッドチップ指数 3,906.61 pt (▲1.00%)

売買代金1,490億3百万HK$(前日2,366億8百万HK$)

ハンセン指数(HSI INDEX)

先週末の米国市場はNYダウが5日続伸、一時は200ドル超下げも売り一巡後は買いに転じ、274ドル高で取引を終了、ナスダック総合指数は+2.05%高で4日続伸となった。週明けの株式市場は米国先物を含めマイナス圏からスタート。週末、商品市況が再び上昇し、ブレント、WTI原油先物は揃って3%強の上昇したことが要因だ。引き続きロシアによるウクライナ情勢がコモディティ価格に影響し、21日オーストラリアが対ロシア向けのアルミニウムの輸出を禁止したことも材料となった。米国の先週のボラティリティー(VIX)指数は週間で20%強下落したのち、今週に入って再び上昇に転じている。和平交渉については難航しており、交渉には時間を要する可能性があるとみられウクライナ情勢により左右されるマーケットが続くようだ。

VIX指数は先週下落に転じる

21日の香港市場は2日続落、朝方は上昇に転じるも先週からの大幅反発から後場にかけて売りが先行した。主要指数は揃って続落、売買代金はHK$1,500億弱と先週のピークから半分近く商いが低下。午前中、林鄭行政長官は会見を行い4月1日からの入国要件を緩和し、入国が禁止されていたアメリカとイギリスを含む9カ国からの渡航受け入れを再開、また海外からの検疫期間の短縮を行うことを発表した。現在行っている市中の規制については4月20日から段階的に解除、全香港民を対象とした強制検査は一旦保留する方針を示した。中国・深圳市では21日からロックダウンが解除され先週からの過度なコロナ不安は後退しつつも、経済再開には時間を要するとみられ週明けの市場は上値が重い展開となった。

ハンセン構成銘柄では火鍋チェーンの海底撈国際HD(6862)8.0%安、フードデリバリーの美團(3690)6.1%安が売られた。セクターでは不動産セクターが安く、同日朝、不動産デベロッパー中国恒大集団(3333)が取引停止。人民元建て債券の利払いについて、債券保有者の支払いの延期の承認を得たと週末発表した。同社は人民元建て債券の昨年の利払いについて2022年9月23日、40億人民元(6.3億ドル)5.8%で支払われる予定とみられ、内部情報のため取引が停止された。中国不動産開発大手のカントリーガーデン(2007)6.2%安、不動産管理サービスの碧桂園服務(6098)5.8%と銘柄が売られた。その他、保険、銀行といった金融株なども軟調。一方、エネルギーが買われ新奥能源(2688)が12%高、通期決算が好感された。

個別銘柄

ENN ENERGY新奧能源2688.HK12.48%中国民間ガス供給業者
BYD COMPANY薬明生物技術2269.HK3.82%バイオ医薬品開発
LI NING李寧2331.HK2.55%中国スポーツ用品
     
MEITUAN-W美團3690.HK▲6.13%電子商取引 プラットフォーム
COUNTRY GARDEN碧桂園2007.HK▲6.21%中国不動産開発大手
HAIDILAO海底撈國際6862.HK▲8.08%火鍋チェーン

中国の3月ローンプライムレート(LPR)が発表された。3月1年LPRは3.7%、5年LPRは4.6%、月次ベースで変化なしと予想通り据え置いた。先週の主導的な金融政策、景気対策を進めるためサプライズな利下げはあるのかと思っていたが今回は据え置き。4月または5月に実施する可能性が高いと考えられる。

LPRは据え置きとなった

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