ハンセン指数は2日連続1,000pt安、売買高は先週比で2倍強まで膨れ上がる

香港デイリー 3/15
ハンセン指数 ▲5.72% 大幅安

15日の香港市場〜ハンセン指数は2日連続1,000pt安

ハンセン指数 18,415.08 pt (▲5.72%)
中国本土株指数 6,123.94 pt (▲6.58%)
レッドチップ指数 3,453.73 pt (▲7.18%)

売買代金2,861億百7万HK$(前日2,230億5百万HK$)

ハンセン指数(HSI INDEX)

15日、ロシアとウクライナに関する情勢について非公式で中国と米国の交渉が6時間に渡って交渉が続いたと現地で報道された。ブルームバーグは、双方が激しい対立を起こしたと報告し、中国株は再びパニックに陥っている。NASDAQ Golden Dragon China Indexは12%下落し主要テック企業、アリババ、美団、Tencentは香港終値からさらに下げた。さらにJPモルガンは28の中国のテクノロジー企業の格付けと目標価格を1つずつ格下げを行なった。中国インターネット企業のエクスポージャーの低下、さらには中国株の資金流出につながる恐れがあり、中国株については弱気な目線が高まりつつある。中国人民元は1ヶ月ぶりの安値、前日比で370bpsま下落し6.36/USDまで人民元安が進んだ。上記に加えてコロナ感染者が拡大する中国経済においてはネガティブな材料が株価の重荷となっている。

人民元は下落し、1ヶ月ぶりの水準まで低下

15日の香港市場は大幅安、ハンセン指数は2日連続で1000pt下げて5.7%安、ハンセンテック指数は8.1%安、2日で21.4%下落した。同指数は下げ幅を縮小する場面も見られたが、14時過ぎに中国政府はロシアへの軍事支援について示唆する報道が米国当局からなされた。これを受け主要指数は大幅反落し、中国関連株の下げが止まらない動きとなった。また上記に加え、JPモルガンが投資判断を引き下げた影響もあり、ハイテク関連株には売りが波及した。オンラインサービスのCHINA LIT(772)27%安、高性能データセンター開発の万国数拠HD(9698)20%安、自動車セクターが安く理想汽車(2015)17%安、小鵬汽車(9868)10%安。中国インターネット企業のアリババ(9988)11%安、テンセント(700)10%安と全面安の様相となった。ハンセン構成銘柄では不動産、金融セクターが大幅反落。不動産開発の龍湖集團(960)15%安、碧桂園服務(6098)14%安、保険では大手の中国平安保険(2318)12%安、医療サービスの阿里健康(241)12%安、マカオ・カジノ関連銘柄も大きく売られた。

個別銘柄

NONGFU SPRING 農夫山泉9633.HK1.18%飲料大手
ANTA SPORTS安踏體育2020.HK0.98%スポーツシューズ生産・販売
HSBC HOLDINGSHSBC0005.HK▲0.80%国際銀行
     
PING AN中国平安保険2318.HK▲12.7%保険大手
CG SERVICES碧桂園服務6098.HK▲13.3%不動産管理サービス
LONGFOR GROUP龍湖集團0960.HK▲15.2%不動産開発

コロナ感染が全国的に広がる中国本土もネガティブな材料となっている。ハイテク企業が本社を構える深センなど、複数の大都市が事実上のロックダウン。中国は昨日(14日)、1日で5,154人の新たな感染者が追加され、主に吉林市を中心に前日の2倍以上となった。実際にはこれ以上の感染者の可能性が高いと思われる。10時過ぎには今年1〜2月の中国経済統計が公表され、小売売上高や鉱工業生産額などが上振れとなったものの、コロナ感染者爆発の影響から指標以上に足元は不透明が続くと考えられる。

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中国1-2月小売売上高、6.7%増 予想3%上回る
資源高を受け石油製品が25.6%となった影響も

今週はFOMC声明に注目が集まる。昨日の米10年債金利は2019年ぶりに2.1%まで上昇、長期金利の上昇を受けて米国ではハイテク株が大幅に下落、グローバル市場は重要イベントを控えて調整が続く。ロシアとウクライナは14日に4回目の停戦協議を実施し、15日にも再開する見込みだ。WTI原油先物は100ドル/バレル割れと売り一巡が進むが依然、ウクライナ情勢をめぐる不透明感は続いている。

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