香港デイリー 3/8
ハンセン指数▲1.39% グローバル株安へ
8日の香港市場〜大幅急落で3日続落、ハンセン指数は5年来安値へ
ハンセン指数 20,765.87 pt (▲1.39%)
中国本土株指数 7,237.80 pt (▲2.36%)
レッドチップ指数 4,014.79 pt (▲2.22%)
売買代金1,707億7百万HK$(前日1,775億9百万HK$)
8日のアジア市場は全面安、ウクライナ情勢が上値を押す展開へ。前日のNY市場は3指数揃って大幅反落。NYダウは今年最大の797ドル安(▲2.4%)で引け、昨年3月以来の1年ぶりの低水準まで落ち込んだ。商品市場中心にインフレが続くなか、ブレント原油先物は夜間時間に130/バレルをブレイク、欧米のロシア産原油の輸入禁止を懸念する動きが強まる。同時間、ウクライナとロシアの第3回停戦協議も進捗がなかったことも拍車をかけた。現在のロシアの原油生産量は世界需要の4%に相当する規模と言われている。ロシアは欧州を中心に日量500万バレル程度の原油を輸出、またこれを補うための米国の増産は日量80万バレル程度の増加と見込まれ、到底厳しい環境が考えられる。JPモルガンのアナリストは昨日、原油先物は2022年の年初から+60%、今後さらに上昇する可能性があるとコメント、2022年後半のターゲットプライスを$185/バレルとした。同様にゴールドマン・サックスも$135/バレル程度と見込んでおり、依然として供給懸念からさらなる上昇余地を示唆した。ロンドン金属取引所(LME)非鉄金属のニッケルは急騰し史上最高値の60,000ドル/1トンを突破した。なお懸念が市場環境をあらわしている。
8日のハンセン指数は3日続落し、同指数は5年8ヶ月の安値となった。取引開始はじめは底堅く前日終値でのもみ合いも、欧米指数先物が下落するにつれ下げ幅を広げた。ハイテク・ネット関連に売りが散見され、ハンセンテック指数は連日の安値更新、3.21%安。構成銘柄では、Mingyuan Cloud (0909)が事前の損失発表から大幅安と上場来安値で16.6%安、3月28日に年次決算を控える。自動車セクターが弱く、小鵬汽車(9868)12.8%安、BYD(1211)9.4%安。旅行サイトのトリップドットコム(9961)7.7%安、EコマースのJDドットコム(9618)6.7%安。決算発表から3日で▲25%下落したビリビリは本日も大きく売られ8.4%安、上場来安値が続く。また前日の大幅上昇となった不動産関連も売り込まれ、不動産管理の碧桂園服務(6098)、カントリー・ガーデン(2007)6.3%安。一方、前日上場来安値となったアリババ(09988)、HSBC(0005)は、市場動向に対してアウトパフォームした。そのほか、電力株は好調で華潤電力HD(0836)は一時5%以上、龍源電力(00916)も一時4%近く上昇したものの上げ幅を縮めた。
個別銘柄
CSPC PHARMA | 石薬集団 | 1093.HK | 3.91% | 医薬品の製造・販売 |
LINK REIT | Link REIT | 0823.HK | 2.97% | 不動産 |
TECHTRONIC IND | 創科実業 | 0669.HK | 2.23% | 電動工具メーカー |
CHINA RES BEER | 華潤創業 | 0291.HK | ▲8.48% | 飲料メーカー |
CG SERVICES | 碧桂園服務 | 6098.HK | ▲8.83% | 不動産管理サービス |
BYD COMPANY | 比亜迪 | 1211.HK | ▲9.44% | 電池・自動車メーカー |
中国貿易統計
中国1月、2月の貿易統計が発表された。中国の輸出は前年比で16.3%増加、前月12月の20.9%からはスローダウンしたもの、市場予想15.0%を上回った、輸入に関しては15.5%の増加と、前月の19.5%から減少し、市場予想の16.5%も下回った。中国政府は昨日の会見で2022年の個人消費を促す方針で、今年のCPIの目標を3%前後と置いている。原油懸念がくすぶる中、十分なエネルギー供給についても言及した。一方、対ロ貿易総額は前年比で38.5%増(US$26.4b)と大きく増加した。中ロ貿易の拡大の見通しは難しいもの、懸念されるのはやはりロシア通貨だ。ロシアが侵攻を開始し、米欧が金融制裁に踏み切ったためロシアルーブルは大幅に下落した。直近ルーブルは対ドル比で2008年の高値から80%近く下落している。「ロシアとウクライナの衝突が世界経済の成長にさらに大きな不確実性をもたらす」と中国当局が話すなど不透明感がなお続く。