物価が上がるとはどういうことなの?
物価が上昇していくことを、「インフレーション」と言います。モノの値段(物価)は、買いたいという需要が大きくなれば、上昇します。経済が成長し、所得が増えれば、購入意欲も増し、需要が増えて、物価は上がっていきます。
反対に、物価が下落していくことは、「デフレーション」と言います。経済が成長せず、需要も膨らまず、供給の方が多ければ、物価は下がります。経済活動も、縮小均衡に入りますから、所得も下がる可能性が高いです。
皆さんは、どちらが良いと思いますか?難しいですよね。
「インフレ」が良いという側面はあります。経済が成長し、所得も増えるわけですから。特に先進国では低成長が当たり前になってしまった2000年以降では、各国は、景気が低迷するたびに、インフレになるような政策を打ってきました。中央銀行も、インフレ率の目標を決めてまで、インフレにしようという政策が採られました。
しかし、本当にインフレは良いことかというとそうでない面もあります。インフレが起きるということは、物価の上昇=通貨価値の下落ということが起こっています。そのため、過度にインフレになると、その国の通貨価値が下落して、大変な危機に瀕することになります。日本でも、戦後のハイパーインフレやオイルショックの時の狂乱物価は、悪いインフレの典型例です。
デフレはどうでしょうか?日本の失われた30年間と言われる時代は、デフレの時代でした。モノの値段が下がっていくのは良かったのですが、所得は上がらず、周囲の国は成長とインフレを続けていたので、日本は相対的に経済規模が小さくなったり、所得が少なくなったりしてしまいました。日本政府の政策は、無策で、貧困化政策だとの批判も頷けます。
現在は、COVID19で打撃を受けた経済を立て直しているときですから、インフレになるような政策が各国で採用されています。世界的には、インフレに向かっていくでしょう。そうだとすると、貨幣の価値は下がります。つまり、お金を増やす運用をしっかりとやってはじめて、お金の価値が減らないということができるのです。
インフレの時こそ、しっかりと運用を考えなければなりません。今何をすべきかを考えることもとても重要です。